家づくりを終えられて
老舗の再生
京都西陣にある老舗は京菓子で全国的に有名なS軒様。
お店とお住まいは京都市歴史的意匠建造物の指定を受けておられます。
重厚な店構えと奥のお住まいからは落ち着いた京都らしい風情が漂ってきます。
小林工務店は40年ほど前から幾度となく「つづくり」をさせていただいています。
今年は屋根や外壁、そして和室の壁・天井など内外に及ぶ広い範囲で
傷みが目立ってきたところの改修をご依頼いただきました。
この度、改修工事を終えて、ご主人様に工事へのご感想やお気持ちをお伺いしました。
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□お店の営業を続けられながらの改修工事でしたので、なにかとご不便をおかけしたかと思いますが、具体的に至らなかったところはございませんでしたか?
工事はおよそ半年に及びましたが、特に不自由はありませんでした。
むしろせっかく工事をするのだから一度にいろいろしてもらえてよかったと思っています。
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□今回、ご依頼いただいたきっかけは?
もともと40年ほど前から何度も手を入れていただいてるので今回もその続きでお願いしました。傷みが気になるところがいくつかありましたのでそこを直して欲しいと依頼しました。工事が始まる前には気づかなかったところや表には見えなかったところの傷みも見つかり、『足場を組んでいる今の機会に直したらどうですか』と小林社長や中村さん(現場担当)からアドバイスをもらいました。お陰で当初の予定にないところまですっきり直せたので良かったと思っています。
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まだ使える瓦は残して 葺替えが完了 |
□工事中のやりとりはスムーズでしたか?
小林社長や中村さんが何度も現場に足を運んでくれたので、気づいたことや気になることはすぐに伝えられました。
行き違いなくしていただいたと思っています。あまり細かい打ち合わせはせずに、和室の天井材はじめ木材選びから何でもお任せしました。私もプロの職人なので、お願いしたからにはプロに全てお任せするのが一番良いものになると思っています。技術もそうですが何よりも一所懸命にして下さってるのが伝わり、お願いしてよかったと満足しています。
□ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします。
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離れの御幣。 昭和十三年十月上棟と 書かれています。 |
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ツインカーボで製作した雨戸。 ツインカーボは軽量であるにもかかわらず、強度と耐候性、断熱性に優れた材料です。 外の光に優しく包まれる和室になりました。 |
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和室の天井板 |
小林工務店担当者より
S軒様は先代(四代目小林由治)が京大工の修行をしていた先の酒井傅兵衛氏によるもので、酒井氏、兄弟子と「つづくり」が受け継がれてきました。このような代々に渡るお客様は小林工務店にとりましても思い入れの深いものです。中でもS軒様は京都市歴史的意匠建造物の指定を受けられた建物であることから大変身の引き締まる思いでした。
「偶然通りがかりの塗装職人にお店の表をペンキで塗らせて欲しいと頼まれ、何の気なしに塗ってもらったところ、ペンキが剥げてみっともなくなった」と塗りなおしのご要望がありました。そこで小林工務店ではベンガラを塗り、当初の姿に戻すことを提案しました。ペンキをはがしてベンガラを塗る工事は、手間がかかりますが、見た目も肌触りも匂いもペンキのそれとは全く異なります。
ご主人から「あぁ、なつかしいベンガラの匂いや」と笑顔で言われた時に、本当に嬉しく思いました。建築当初の輝きのあるお店の顔となりました。
屋根の修理もご依頼いただきました。その際、銅板の腰葺きでは、近年の酸性雨が及ぼす影響を考えると心もとないので、ステンレスの使用を提案し採用していただきました。
こちらの提案をじっくり聞いて、これまでの材料と新しい材料、良いと思われるものを採用していただけたことは、建物を大切に長く使っていただきたいと考える施工者として、とても感謝しています。
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ペンキをはがして、ベンガラを塗って |
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| 床の間。繊細な佇まい空間 | ふすまの引き手 |









